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公開日:2025/8/23
瓦屋根の種類と特徴|釉薬瓦・無釉瓦・セメント瓦のメリット・デメリットを徹底解説
住宅街を歩いていると、ふと目をひく美しい瓦屋根。日本家屋ならではの風格と落ち着きを感じさせる瓦屋根は、近年の新築やリフォームでも根強い人気があります。
しかしその一方で、「地震や台風に弱いのでは?」「費用が高そう」といったイメージをお持ちの方も少なくありません。
実は、瓦屋根にもさまざまな種類があり、それぞれに耐久性やメンテナンス性、価格などの違いがあります。最近では、耐震性や防災性に配慮した瓦も登場しています。
この記事では、瓦屋根の種類とそのメリット・デメリットを素材ごとに詳しく解説します。ご自身の住まいに合った屋根材を選ぶための参考にしてみてください。
瓦屋根とは?日本の住宅に根づく屋根材のひとつ
瓦屋根とは、粘土やセメントなどを成形して焼き上げた「瓦」を使用した屋根のこと。大きく分けて以下の2種類に分類されます。
- 粘土瓦(和瓦):伝統的な焼き瓦。三州瓦・石州瓦・淡路瓦などが有名。
- セメント瓦:セメントを型に流して成形し、塗装で仕上げる近代的な瓦。
それぞれの素材や製法によって性能やデザイン、費用感が異なります。
瓦屋根のメリット
1. 高い耐久性
瓦は不燃性かつ耐候性のある素材で、寿命は50年以上。金属屋根などと比べても非常に長持ちです。
2. 再塗装が不要
釉薬を施した瓦は色褪せや腐食に強く、メンテナンスの手間がかかりません。
3. 部分的な修理が可能
瓦は一枚ずつ取り外せるため、破損箇所のみの交換が可能。修理のしやすさも魅力です。
4. 優れた断熱性
瓦と屋根下地の間に空気層があることで、断熱効果が高く夏も涼しく快適に。
5. 高い遮音性
空気層が音を吸収し、雨音などを軽減して静かな室内環境を保てます。
瓦屋根のデメリット
1. 初期費用が高い
瓦本体の価格に加え、専門的な施工技術が必要なため、費用は高くなる傾向にあります。
2. 重量があるため耐震性に配慮が必要
従来の瓦は重いため、耐震設計や耐風設計に工夫が必要です。ただし、近年は「防災瓦」などの軽量・高耐震仕様の製品もあります。
【素材別】瓦屋根の種類と特徴
ここからは素材ごとに、代表的な瓦の種類を紹介します。
粘土瓦(和瓦)
日本で古くから使われている焼き瓦。三大産地(三州・石州・淡路)などが有名です。
■ 釉薬瓦(陶器瓦)
- 特徴:表面にガラス質の釉薬を塗布し、焼成。
- メリット:
- 表面がコーティングされていて防水性が高い
- 色・ツヤのバリエーションが豊富
- 色褪せしにくくメンテナンスが少ない
- デメリット:
- 釉薬工程があるためやや高価
■ 無釉瓦(いぶし瓦・素焼瓦)
- いぶし瓦の特徴:焼成後にいぶすことで炭素膜を形成。銀灰色で重厚感ある見た目。
- 素焼瓦の特徴:釉薬なしで焼き上げることで、素材そのままの風合いを楽しめる。
- メリット:
- 和風建築に合う落ち着いた美しさ
- 通気性があり、湿気に強い
- デメリット:
- 表面保護がないため、釉薬瓦より劣化しやすい
- 色の選択肢が少ない
セメント瓦
高度経済成長期に普及した成型瓦。粘土瓦に比べるとリーズナブルです。
- メリット:
- 安価で施工しやすくコストパフォーマンスに優れる
- デザインバリエーションが豊富
- デメリット:
- 表面は塗装仕上げのため色褪せしやすい
- 定期的な再塗装や防水処理が必要
- 放置すると苔やひび割れが発生しやすい
瓦屋根の選び方とポイント
瓦屋根を検討する際には、以下のポイントに注目しましょう。
- 家の外観に合った色味や風合い
- 耐久性とメンテナンスのバランス
- 耐震・耐風対策の有無(防災瓦の活用など)
- 初期費用とライフサイクルコスト
「昔ながらの瓦=地震に弱い」とは限りません。施工方法や製品の進化により、現在は安全性と意匠性を両立した瓦屋根も増えています。
瓦屋根で長く快適に暮らすために
瓦屋根は見た目の美しさだけでなく、機能性・快適性にも優れた屋根材です。定期的な点検とメンテナンスを行うことで、その良さを長く保つことができます。
どの瓦を選ぶべきか迷った際は、素材や工法に詳しい施工会社に相談するのが安心です。
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